2016年度 理事長所信

 

第50代理事長 小薗江 政勝

 

 

【行動基本指針】

 一般社団法人日立青年会議所は、この愛する地域を、より明るく豊かにするため率先して行動する能動的市民の集いです。我々は、この地域の未来を常に考え、活眼を開き、先見の明を持って行動します。

 

【会員拡大運動】

 この指針を押し上げるのは、メンバーの日々の思考であり、行動に他なりません。そしてさらに大きな力へと昇華させるのは、志高き仲間の数です。多様な思考が集まり、新たなアイデアと斬新な発想が生み出され、我々は日々進化します。豊富な人材による、刺激的で活気ある組織を継続するために、本年度も会員拡大運動に力を注いでまいりましょう。

 よき人との出会いは、自身を成長させます。JCが出会いの場であり、成長の場であるために、ともに行動する新たな仲間を我々は大いに歓迎いたします。

 

【プロボノ〜地域のために〜】

 その力を持って、地域のために我々は何ができるか。

 我々は、異業種の集合体であり、言い換えれば、プロフェッショナルの集まりです。そのスキルは多様であり、無限の利用価値を秘めています。我々が地域に対して貢献する時、個々の秀でたスキルを公益のために変換し、活かすことが最も効果的であり、生産的です。

 プロボノとは、ひとことで言えば、プロの知識やスキルをいかしたボランティアであり、まさに青年会議所の持つポテンシャルを活かせる社会貢献活動です。我々は理想社会の実現に向け、地域の課題解決のために、この活動の推進を図ると共に、市民自ら「プロボノ」精神を抱くよう働きかけ、浸透させてまいります。

 

【未来を担う次世代のために】

 この愛する日立がより良く豊かになるため、我々は日々、先の時代を見据えて行動します。その未来を担うのは今の子どもたちであり、この地域をさらに発展させるのも今の子どもたちです。我々は、現時点で考えられる課題を捉えながら、健全に子どもたちが成長できるような社会を創り上げていかなければなりません。現代社会において、子どもたちを取り巻く問題は、可視化できるものばかりではなく、非常に複雑になっています。我々はその一つ一つを紐解き、子どもたちが心豊かに成長し、次の世代がより繁栄できるような次世代育成運動を追い求めます。

 

【学び舎として】

 青年会議所の魅力は、常に問題や課題を見つけだし、知識や見識を用いて、それを解決していく行動であり、そこから学び、成長していくことです。事業を行うことよりも、そのプロセスの中で我々は成長し、磨かれます。年間の活動を通して自身が学び、事業を以って発信をする。かたちに追われ、本質を見失い、深化させる過程を疎かにした外形だけの事業を行うようになってしまったとき、それは単なる事業費と労力を使っただけの作業をしているに過ぎません。そのような団体に誰が興味を持つでしょう。

 我々は日々の研鑽と事業を以って仲間を増やすという本質を忘れずに、質の高い事業を作りだし続けねばなりません。そして興味を示した人を呼び込み、運動の輪を広げていきましょう。

 

【茨城ブロック会長輩出とネットワークの構築】

 本年度、当LOMより、茨城ブロック協議会会長を輩出いたします。この機会を最大限活用し、LOMの組織力強化へと繋げます。本年度のブロックへのコミットメントを通して茨城ブロックから多くを吸収し、次年度以降の運動のヒントを得ていただきます。そのためには、多くのメンバーでブロック事業に参加し、それぞれの出会いを作りだし、今後の活動に役立てていただきたく願います。

 また、茨城県全体を見まわしたとき、初めてこの日立市に足りないものが見えてくることもあります。本年度はその視野を広げる絶好の機会であり、市外へのネットワークを構築する最大のチャンスです。ブロック長輩出LOMとしての存在意義を十分に理解し、運動展開していきましょう。個々の意識ひとつひとつで、事業参加へのリターンは変わります。有意義に活用しましょう。

 

【創立50周年を迎えて】

 我々の先輩が、この地に青年会議所を発足してから、本年度で創立50周年を迎えます。脈々と受け継がれたこの歴史と伝統は尊く、我々の「今」はその延長線上に成り立っています。現在当たり前にできることも、過去の活動の成果であり、組織が周知され運動しやすくなっていることも全て先人の切り開いた道の上にあることを忘れてはなりません。我々は感謝の心をもって、この節目を迎え、これまで支えてくださった先輩方、友好LOM、その他多くの方々に敬意を表し、しっかりとした準備のもと式典を執り行います。

 また、これからの未来のための礎となり、後世のメンバーがより素晴らしい活躍ができるよう、歴史と伝統の上に進化し、変革しながら最良を追い求めて行動いたします。

 

【結び 日立創生】

 日本生産性本部の日本創成会議・人口減少問題検討分科会による「消滅自治体リスト」は我々に衝撃をもたらし、自治体の地方創生に対する気運の呼び水となりました。国は地方創生を掲げ、これから地方を救ってくれるようなメッセージを発信しています。しかし、現実はどうでしょうか。日立市の人口減少に歯止めがかからず、高齢化、若者の流出に対する策は功を奏していません。

 何もしないで、国が助けてくれるという考えは幻想です。このリストに挙げられたすべての自治体を全て国が救うのは不可能であることは明白であり、救済すべき自治体の選別は必ず行われることでしょう。

 では、再び息を吹き返す自治体はどのような自治体か。それは、再生に向けたアイデアがあり、それを実行できる地域力のある自治体です。地域力とは、民間力に他ならず、行政との連携をもって再生に向けて同じベクトルを持って行動する組織、団体、個人のネットワークです。そして、地方創生のキーワードを官邸の唱える「まち・ひと・しごと」とするならば、今こそ青年経済人である我々が立ち上がり、知恵を絞り、日立市の未来地図を創り上げるときです。

 我々の未来を真剣に考え、知恵と活力を以ってこの地域にできることを実現していく行動。まさにJC運動です。

 我々は今、民間が主導となり、市を牽引するという気概を持ち、その潜在能力を活かし、様々なネットワークを駆使して、この地域のために行動を起こす岐路に立っています。

 

 本年度、その一歩を踏み出しましょう。