近年、子どもたちを取り巻く環境の悪化が叫ばれ続けています。犯罪の低年齢化や情報化社会、核家族化、少子化、学級崩壊、いじめ、家族や地域との絆の希薄化など、挙げ始めればきりがありません。そんな時代の中、皆さんはどのようなことを大切にして子どもと接していますか。また、どのように成長してほしいと願っていますか。
　アメリカの話ですが、聾唖（ろうあ）の夫婦に子どもが生まれました。両親は子どもとの会話は手話でしか出来ないので、子どもが言葉を喋ることができるようにと願い、テレビをたくさん見せました。しかし結果は、手話は完全にマスターしたものの、言葉は理解できないまま育ってしまったのです。この話で改めて親のあり方やコミュニケーションの大切さを考えさせられました。
　子どもたちが健全に成長するためには、子どもたちに大人の社会を押し付けるのではなく、大人が子どもの世界を正しく認識して願いを持って行動をしていくことが大切だと考えます。そして時にはその世界を共有しながら、共に喜びや気づきを感得してもらいたいと思います。
　本年度、当委員会では「子どもたちの世界」について考えていきます。そして子どもたちが生き生きと行動し、親や地域の大人たちとコミュニケーションを深められるような事業を展開していきたいと思います。また、昨年の青少年委員会が行ってきました「学の夏休み」の教育プログラムを活用し、更に、（社）日本青年会議所の協働運動と連携し、検証・実践を進めていきたいと思います。
　１年間、精一杯取り組んでいきますので、御指導、御協力のほどよろしくお願い致します。