2019年度 理事長所信(案)
理事長 大和田 典義
地方創生と銘打ち、様々な政策や事業が打ち出されてきました。今、目の前にあるまちを見たとき、果たしてそれは生きたものになっているでしょうか。多くがいまだ過程の段階であり、目に見える効果を実感するのはまだ先の未来なのかもしれません。そんな一地方に住み暮らす私が考える地方創生の要は、やはりそのまちに住み暮らす市民であり、その市民自らが行動を起こすことだと考えます。自分の住み暮らすまちを、より良くしたいと多くの市民が自ら考え、立ち上がることこそが、地方創生への近道なのです。
私が日立青年会議所へ入会した時、真剣にまちと向き合い、目の前にある現実を少しでも動かしたい、そんな情熱を持ったメンバー達がいました。熱く議論するだけでなく、実直に行動を起こす、その姿勢に心が震えました。まずは、まちを想い活動してきた私たちが、まちの明るい未来を描き、率先して行動を起こすことで、共感の輪を広げていきましょう。
日立青年会議所で出会った仲間と、共に運動する中で、先人たちが紡いできた52年間の歴史に触れ、私は、この組織の可能性は無限であると感じました。それと同時に、私の可能性も無限に広がり、自分が心の中で限界を作っていたことに気づかされました。誰しもが無限の可能性を秘めているのです。
自分の可能性を信じ
仲間の可能性を信じ
明るい豊かな日立の未来を信じる
多くの人は見たものを信じますが、日立青年会議所に集い、情熱を持った私たちは、信じたものを見ることができるはずです。
未来を信じることで、その望む未来を創造していきましょう。
【出会いが想いを紡ぐ】
人と出会い、新たな価値観に触れることで、人は磨かれ、成長する。青年会議所は、40歳で卒業という制度のもと、常に新陳代謝を繰り返し、人が人をつくり、その人がまちをつくるという素晴らしいサイクルが脈々と受け継がれ、時代の魁として、力強く運動を推し進めてきました。日立青年会議所が紡いできた歴史と伝統、そして想いの上に、今、私たちは立っています。
より多くの新しい仲間を迎え入れ続けることこそが、青年会議所運動への共感を広げ、組織の強さ、さらに、まちの成長につながります。メンバー一人ひとりが、この組織で得られたものを見つめ、その魅力を情熱的に、そしてひたむきに伝えていきましょう。
会員拡大運動で得られる出会いは、私たち個人にとって何よりも大事な財産になります。青年会議所に入会していなければ出会えなかった仲間が、今、隣にいませんか。それは、あなたの人生にとってかけがえのない人になっていませんか。私は、日立青年会議所の全てのメンバーとの出会いに感謝しています。そして、まだ見ぬ出会いに心を躍らせています。青年会議所で得られる出会いの連鎖は、無限に広がり続けます。それこそが青年会議所で得られる宝であるとともに、自分の人生を豊かにする最も大事なものだと私は思います。さあ、希望に溢れた、新しい出会いを共に探しにいきましょう。
【新しい自分を発見する場所】
日立青年会議所では、志を持った青年経済人が集い、まちの未来と真剣に向き合い、日々熱く議論を重ねています。そして、しっかりとまちを見つめ、社会背景から目的を定め、課題解決のために事業を行っています。共に運動を進めていく中で、様々な価値観に触れ、それぞれの志に磨きをかけていく、互いの価値観を尊重し、調和をもたらす、その経験からくる学びや絆は、今、この青年会議所という学び舎でしか得られないのではないでしょうか。
さらに、青年会議所には、様々な気づきや学びの機会が用意されています。主体性を持って活動すれば、自然と自分の成長につながるようになっているのです。まずは、日立青年会議所の歴史を知り、その中で培われてきた伝統や規律を理解することが第一歩となります。時代に即して変化しつつも、本質は変らない、その規律の中でいかに自分を高めていけるのかを考えることが重要です。時には、面倒に思う出来事もあるのかもしれませんが、全てをチャンスと捉え、その機会を手にしてみてください。きっと、まだ自分でも気づいていない才能が開花するはずです。
【和の精神と創造性を持って未来を切り拓く次世代の育成】
今の子供達は、どんな未来を生きるのでしょうか。近年、急速に進むテクノロジーの進化により、私たちの生活環境は劇的に変化しています。子供の頃、胸をワクワクさせて見ていたSF映画の世界がすぐそこまで迫ってきているのです。
2020年からは、小学校にプログラミングの授業が導入されます。想像性に溢れる子供たちが、テクノロジーを操り、どういった未来を創造していくのか、楽しみで仕方がありません。私は、それが明るいものだと信じているからです。
テクノロジーの進化は、いつの時代も人類を救ってきました。今、日本が向き合う少子高齢化による労働人口の減少というような問題も、AIやロボット産業などのテクノロジーの力が解決の糸口になるでしょう。そんなテクノロジーの進化と共に生きていくには、どんな人間であるべきか、今、問われている時なのかと思います。
利便性が急速に増していく中で、通信手段の多様化によるコミュニケーションの形の変化、さらに社会情勢に伴う地域コミュニティーとの繋がりの希薄化など、様々な社会問題が重なり、子供たちを取り巻く環境に弊害が生まれているのも認めなければなりません。2018年から、小学校の教育に道徳が教科化されたのも頷けます。世界に称賛されてきた「和の精神」を、再度見つめなおすときなのかと思います。今後、さらに加速するテクノロジーの進化と共存し、希望に満ちた未来を生きるためには、今一度、子供たちに先人たちが築き上げてきた美徳性溢れる心を伝えていく必要があります。和の精神と創造性、その両方を兼ね備えた子供たちが、予測不能な未来を切り拓き、日本を明るく照らしてくれるはずです。
【今、日立がおもしろい】
おもしろいまちということに真剣に向き合ってみたい。青年会議所の特徴でもある、社会背景から課題を抽出し、目的を定め、事業を構築し、検証するという普遍的なものをベースに、いかにおもしろいまちにしていけるのか考えていきたい。おもしろいを創出すれば、市民の笑顔を呼び、心が豊かになり、このまちで暮らすのが楽しくなります。そして、今度は楽しいまちに住む市民が、自らおもしろいを創出していき、その楽しさが広く伝播していく、そんなまちが多くの地方都市が抱える問題を克服していくのではないでしょうか。
まちを想い活動している私たちが、今一度まちを見つめ、行政、そして市民と共に、新たな価値を創造していきましょう。市民を巻き込み、共におもしろいまちを創りあげること、そこへの飽くなき探求心を持ち続け、一つひとつおもしろいまちに向けての事業を積み上げる、その先には、笑顔溢れる明るい未来が待っているはずです。
私たちが住む日立市も消滅可能性都市にあげられています。悲観していても何も変わりません。今、日立がおもしろい、そんな声が聞こえてくるよう、まず私たちが、青年らしくまちをおもしろくしていきましょう。
【戦略的な思考を突き詰める】
物事を成す時、戦略的な思考を最大限に持ち、多面的に捉え、構築してみてください。対外事業や対内事業関係なく、その事業の目的が達成される時、さらにはそこに至るまでの手法についても、どのようにしたらその効果がより広く波及するのかを突き詰めて欲しいと思います。そして、それが描いた未来にどうつながるのか、つなげるのか、その先を見据えた事業構築をしていくことが、より魅力的なまちの未来、そして日立青年会議所の礎となるはずです。
皆様には、可能性に溢れた仲間たちがついています。大きなビジョンを持ち、失敗を恐れず、果敢に挑戦していきましょう。
【終わりに】
私も、皆様も、この日立青年会議所と出会い、40歳までの「時間」という貴重な財産を使います。この学び舎で、無限の可能性を秘めた仲間たちと、共に時間を過ごす、今この一瞬を輝かせる、今この一瞬を大事に積み上げる、未来を見つめ、今を本気で生きる。それこそが、誰しもが今この瞬間からできる自分に対する投資なのです。時間はあっという間に過ぎ去ってしまいます。青年らしく、情熱を胸に、力強く歩みを進めましょう。