2017年度 理事長所信
第51代理事長 伊師 憲和
【創立50周年を経験して】
2016年4月、創立50周年記念式典が執り行われました。私は、50周年実行委員会担当副理事長としてこの大きな節目の事業に携わらさせていただきました。そこで、身に染みて感じたことは、今から50年前にこの地に全国で340番目、茨城県内で4番目の青年会議所として、この日立青年会議所を設立された先輩方の偉大さであり、そして、現在に至るまで多くの先輩たちが、いつの時代もこの日立の明日を想い未来を描きながら、幾多の課題に立ち向かいそれを乗り越え、この地域の先頭に立ってJC運動に邁進されてきたパワーでした。そして、創立50周年記念式典には、この日立青年会議所の歴史を紡いでこられた多くの先輩諸兄に出席いただきました。それは、現役メンバーへの期待であり、その歴史にタスキを渡した私たちに対する言葉以上の激励だと感じました。
2017年度、創立51年目を担う私たちは、この半世紀に渡る歴史と伝統の敬意を胸に、一人一人がJAYCEEとしての責務を果たしながら、どんなときも仲間を信じ合い、これからの日立青年会議所の新たな歴史を築いていかなければなりません。
【青年会議所とは】
会員の半数が入会から4年未満となる現在、受け継がれたこの組織の発展、そして新たな時代を築くためにも、今一度、青年会議所とは何であり、その存在意義を考えていただきたいと思います。
「地域社会並びに国家の発展を図り、会員の連携と指導力の啓発に努めるとともに、国際理解を深め、世界繁栄と、平和に寄与することを目的とする。」
これは、一般社団法人日立青年会議所 定款に記されているこの法人の目的であり、私たちはこの目的を達成するために事業や運動を展開しております。
また、青年会議所の事業目標は、「社会と人間(ひと)の開発」であります。すなわちこれは、「まちづくり」と「ひとづくり」であると言えます。この目標は不変であり、常に時代や地域情勢に適したかたちで運動展開をしていかなければなりません。これが、青年会議所の一番の存在意義であると言えます。したがって、私たちは、将来この日立(まち)を、こんな日立(まち)にしたい。こんな市民(ひと)で溢れさせたいなど多くの未来を描きつつ、その実現のためには市民や次世代を担う子どもたちに対してどのような運動を展開すべきなのかを高い見識をもって、議論をかさね行動していかなければなりません。その行動の繰り返しが、会員個人の資質向上につながり、私たちを通して市民(ひと)づくりへと、そしてまちづくりへと発展するものであると思います。
【会員拡大について】
会員拡大活動は、会員一人一人が青年会議所の意義をしっかりと認識し、組織の魅力と私たちの運動の素晴らしさを伝える行動であると思います。私たちの純粋なる運動に共鳴し、そしてともに活動できる仲間を増やしましょう。
会員の減少は全国的にも大きな問題となっており、日立青年会議所においてもこのままの状況では数年後には現在の会員数が半減してしまう危機的状況にあります。組織の規模縮小は、私たちの運動そのものを大きく妨げる要因であり、この組織にとっての最重要事項といえるでしょう。
常に修練に励み、多くの仲間と切磋琢磨しあう私たちの目指すものは、「多数なる精鋭部隊」です。日立青年会議所は、これからも多くの仲間と刺激し合い、相互に高めあう組織でありたいと考えます。卒業年度が決められ、メンバーの新陳代謝が絶えずおこる青年会議所の構造において、組織力の向上のためにも、いつも会員拡大を意識し、一丸となって会員拡大運動を行ってまいりましょう。
会員が増えれば増えるほど、私たちの運動もより多くの市民(ひと)に伝えることができ、より社会に広げることにつながるのです。
【組織力の強化として】
新入会員をしっかりと研修することは組織力強化には必要不可欠であります。
新入会員には、青年会議所の歴史や基礎知識、JAYCEEとしてのルールやマナーなど会員としての基本をしっかり学んでいただきます。その過程で新入会員が、青年会議所の価値を理解し、積極的に活動することが呼び水となり、刺激をうけた既存の会員の掘り起こしや退会者を減らすことができれば、組織の強化や活性化につながるのではないでしょうか。
また、月に一度全会員が集う例会は、日々の活動のなかでも大変重要な場であり、仲間との交流の機会、LOMの方向性や同じ意識をもって活動をする機会でもあり、意思統一を図ることができる組織力強化の場となります。月に一度集えることの重要性を再認識し、会員一人一人、或いはそこに関わるすべての方々に対して、自己成長につながる場、または自己の可能性を感じる場として、価値や魅力を高めていくことができる例会の運営を行ってまいりましょう。
【未来をみすえた日立青年会議所として】
「まちづくり」は「ひとづくり」からである。まずは、私たち会員一人一人の成長を促し、その波及が市民(ひと)の成長につながり、まちを変える力となり、市民(ひと)を巻き込む力となります。「まちづくり」を確実にすすめるために、その基点となる私たちメンバーの自己研鑽を積極的に行ってまいりましょう。青年会議所には様々な活動を通じて、自らが成長できる機会やチャンスをつかめる環境が整っています。常に学ぶ姿勢を持って、そのチャンスを活かして自らの成長につなげてまいりましょう。それが私たちの日立(まち)の未来を創ることになると信じて。
2017年度も、日立(まち)の明日を想い未来を描きながら事業を展開してまいります。事業を展開するにあたって私たちは常に問題点を洗い出すことが必要であると考えます。例えば、この日立の未来を想いまちの発展を考えるのであれば、やはりこの日立というまちがどういう歴史をたどり、現在はどのような街の構造であるのかを十分理解することは重要なことであり、そのうえで現状の問題点を浮かび上がらせ、その問題点について議論することです。
そのようにして、しっかりと問題点を捉え、それが反映された事業を展開することが、より強い発信力になることでしょう。また、その問題点について、私たちだけで議論するだけにとどまらず、広く市民に問題提起し意識を高めることが、このまちの発展や次世代を担う子どもたちの未来にも繋がることとなるでしょう。
【おわりに】
私は入会してから常々青年会議所とはどういう団体なのかと考え、その答えを求めて活動してきました。メンバーも一人一人にそれぞれの考えがあることでしょう。私自身の短い経験の中で感じたことは、自由な意義を見出せる柔軟性に富んだ団体であり、青年会議所の価値は一言で到底片づけられないということでした。定款の目的や青年会議所の事業目標だけでは計り知れないところがあり、それがこの団体の奥深さであり面白さであります。それでも、この日立青年会議所が50年もの間脈々と続いてきたのはやはり、ともに活動してきた仲間がいたからこそであります。
蕉風俳諧の理念の一つに、「不易流行」という言葉があります。「不易」はいつまでも変わらないこと、「流行」は時代時代に応じて変化することを表しています。いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくということであります。日立青年会議所はまさに不易流行論の体現として発展してきました。
仲間たちとともに50年前の創始の精神を忘れずに、常に変化を恐れず何事にも挑戦してまいりましょう。その一歩が次の半世紀への新たな幕明けとなり、創立100周年へとつながるはずです。