2014年度 理事長所信
第48代理事長 槙嶋 雅彦
あなたにとってJCとは何ですか。
あなたはJCを楽しんでいますか。
我がまち日立にとってJCとはどんな存在であるべきだと思いますか。
【はじめに】
JC運動の目的は、明るい豊かな社会を創造することです。その為には自分たちのまちと真剣に向き合い、今何が必要かを見つけることが重要です。それは日々、漫然と生活していたのでは見つかりません。まちを愛し、心からこのまちを良くしたいと思えた時、自ずと見えてくるものなのだと思います。
(社)日立青年会議所は1966年に誕生して以来、変革の能動者として常に時代の先頭に立ち、自分たちの愛するまちを見つめ、熱い情熱のもと、JC運動に邁進してまいりました。これまでの47年間にもおよぶ(社)日立青年会議所の輝かしい歴史を築いてきたのは、多くの諸先輩方のまちに対する多大なる愛情・熱い想いに他なりません。私たちは今一度、自分たちを見つめ直し、この日立を一番愛しているのは我々(社)日立青年会議所のメンバーなのだという確固たる信念のもと、活動を展開していくことが大切です。
また、その熱く尊い想いを具現化するのは第一に行動です。行動すること無くしては何も生み出せません。自ら実践した者の発する声でなければ誰の心にも届きません。失敗を恐れず、信念を持って、共に活動してまいりましょう。今という時間は二度と戻ってくることはないのですから。
【会員拡大について】
私たちの活動を恒久的に継続していくためには、同じ想いを持つ仲間を一人でも多く増やすことが大切です。「まちを変えたい」「まちを良くしたい」、その地域に住む人間であれば誰もが抱く想いも、一人では何も生み出すことはできません。しかし、想いに共感し共に声を上げる人数が増えるにつれ、次第にその声は力となり必ず地域を変える原動力となります。また、同じ目標に向かって進む仲間が増えることは、新しい刺激や気付きにより個人のスキルアップ、団体の運動展開の強化にも繋がるのです。
会員拡大運動は、声を掛けるメンバーの想いの強さにかかっているというのが私の考えです。勧誘する者の言葉に想いが乗っていなければ、誰の心も動かすことはできないでしょう。あなたはこれまで、JCから沢山の出会いや気付き、学びといった貴重な経験を得ることができたかと思います。自分のJC活動を振り返り、仲間と共に熱く語り合いましょう。皆で語り合うことで、これまでの活動で得た経験、日々の地道な努力はメンバーそれぞれを間違いなく大きく成長させていることに気付くはずです。そして、皆で語り合ったJCへの熱い想いを勧誘しようとしている未来の仲間にぶつけるのです。
「数はチカラ」です。我々が発する巨なる声で地域を動かすのだという気概のもと、多くの新しい仲間を迎え入れ、(社)日立青年会議所を更に魅力的な団体にしてまいりましょう。
【事業のかたち】
青年会議所運動において対外的事業が非常に重要な役割を果たします。良い事業を行えば、我々の想いが地域の方々の心に届き、まちを変えるきっかけになることでしょう。
では、良い事業とはどのようなものでしょうか。それは「今、地域が何を必要とし、問題点は何であるのか」といった取り組むべき課題、伝えたいメッセージが明確化されている事業であると思います。予算や規模といった要素に囚われることなく、まずは自分たちの想いを大切に、事業を創成することが重要です。問題や課題が発生したときは皆で知恵を持ち寄り、修正すればよいのです。
我々の組織において事業は委員会単位で作り上げる形ではありますが、その前に私たちは明るく豊かな社会の創造という理念を共有する仲間の集まりです。「あの例会はあの委員会」といった括りは捨ててください。全ての例会は(社)日立青年会議所の例会なのです。各委員会が作りあげる例会を更に良いものにするべくメンバー全員が一枚岩となり、担当役割の補助や積極的な動員といった協力を最大限行ってまいりましょう。
また、私たちは様々な事業展開のなかでいくつかの継続事業を抱えています。単年度制であるJCにおける継続事業について議論百出ありますが、私はその事業について進化や未来へのビジョンを見出せるのであれば、継続することに賛成です。継続するということはその事業が「情報発信ツールとして魅力的」、「地域から求められている」といった理由が存在するからであり、それは大変素晴らしいことであると思います。時代の先駆者たるJCとして、常に先見性のある事業を創出していくと同時に、我々の生み出した継続事業については、地域の皆さまのもとで独り立ちできるようなシステムの探求、構築を意識しながら、更に魅力的で完成度の高い事業へと作り上げてまいりましょう。
【自己研鑽】
明るい豊かな社会を創造するため、常に我がまちを見つめている私たちですが、自分たちの団体や自分自身を見つめることも疎かにしてはいけません。私たちの活動を質の高いものとするためには、私たち自身のスキルアップも大変重要であるからです。己を磨き、活動を共にする多くの仲間と切磋琢磨することで、(社)日立青年会議所という団体が更に魅力的な団体へと成長していくのです。
自己研鑽のツールは数多く存在しますが、青年会議所にはJC会員として必要な精神、知識、技能を身につけることを目的に数多くの研修プログラムが存在します。これらは各地域の青年経済人として第一線で活躍されているメンバーが多数参加し、絶えず精査されながら、今日に至るものなのです。このような魅力的な研修プログラムが常に手の届くところにあることを認識し、積極的に活用してまいりましょう。
また、全国に広がる多くのJCメンバー、先輩方というネットワークを利用すれば、これまで気付かなかった素晴らしい自己研鑽との出会いもあるでしょう。更に、そういった貴重な研修の機会を広く一般の方々に公開、共に参加いただくことができれば、我々の活動に対する認知度や理解度の向上に繋がり、地域の皆さまとの貴重な交流の機会を得ることにもなるのです。
日々多忙なこととは思いますが、己を見つめ、現状に満足することなく努力することで、自分自身の成長を感じることができるでしょう。それは全て将来の自分への投資であると同時に、青年会議所の更なる成長や我がまちの発展への貢献に繋がるのです。
自己研鑽できる今を共に楽しみましょう。
【未来のために】
現在、厳しい経済状況や地域における諸問題から元気を無くしている日立を憂い、「この地域を良くしたい」「このまちの企業、市民を元気にしたい」といった想いのもと、活動している団体は私たち青年会議所だけではありません。アプローチの仕方は違えども、元気で活力のある日立を目指すという、目的を同じくする団体の皆さまと交流を持つことは、活力に満ちた日立の創造に大変有効であると考えます。団体間の相互交流は各々の活動に良い刺激を与え、共同での事業実施はこれまでにない新たな息吹を日立にもたらすことでしょう。
また、責任世代である私たち青年は、次世代を担う子供たちが未来に希望を持ち、健やかに成長できる環境を整える使命があります。現在、子供たちは刻々と変化する環境のなかで、いじめ、不登校、青少年犯罪の凶悪化といった問題に晒されています。しかし、これまでのJC活動において出会った子供たちの笑顔、日立での思い出や未来への夢を語るその瞳はとても眩しいものでした。いつの時代も子供たちは純粋であります。様々な青少年問題は、めまぐるしく変化を続ける社会環境に起因する事象に対する子供たちの反応であり、先んじて子供たち自身の責任を推察することは浅慮であります。道徳心、思いやりの心といった先人からの教えも心の豊かさといった人間形成の根幹となるもので非常に重要でありますが、自分自身の幼年時代とは全く異なる環境や、その中に生きる子供たちが「今、何に悩み求めているか」について真摯な姿勢で理解し、個人の可能性が広がっていくように導くことが私たち大人の責務であると考えます。正すべきは正し、尊重すべきは尊重し、子供たちとの関わりや信頼関係をより一層深くできるような活動を展開してまいりましょう。
【結びに】
私が青年会議所に入会して、早や10年が経ちました。この10年間の様々な出会い、経験ができ、私にとってかけがえのない宝物となりました。
活動をしていくなかで、その瞬間において苦しいと感じてしまうことも結果、全て自分にとってプラスに働く要素でしかありません。恐れずに前に進みましょう。行動することでのみ、かけがえのないものを得ることができるのです。