2012年度 社団法人 日立青年会議所


2012年度 理事長所信

 

第46代理事長 橋本 成

 序章(はじめに)
 今の社会には、少子高齢化の進行による社会構造の変化がもたらす諸問題、地球的規模の環境問題、世界的経済不況等、困難な課題が突きつけられているのも事実であり、それが漠然とした不安、閉塞感に繋がっているのではないかと考えます。
  人々の多くは、これからどこへ進もうとしているのか、心の奥底では不安を抱きながら日々を生きているのではないでしょうか。「希望が持てない」、「政治が悪い」等と現状を悲観して他人事ととらえることは容易ですが、自らが積極的な変化を生み出すことは難しいのではないでしょうか。
 我が国は、先人の営々たる努力によって経済大国といわれるまでに発展してきました。しかし、その驚くべき経済的繁栄の陰で、培い伝えられてきた伝統文化は軽んじられ社会公共に尽くす気概は失われ、人々はひたすら己の保身を求め、今や国家の衰退へと向いつつあるのではないかと感じております。だが、社団法人日立青年会議所に培われた精神の命脈は、今も決して途絶えることなく受け継がれて来ました。私たちは、祖国、故郷、先人からの恩恵を受けていることを絶対に忘れてはならないと強く思います。
 世界で最も美しく、尊い歴史と文化の上に我々は立ちます。この日本に生きるものとして、厳しい自覚を持って今一度振りかえり、悠久の歴史に刻まれた伝統と文化を継承し、深い智恵と尊敬の念を育んでいきたいと考えます。

 次代に繋げる為の会員拡大の為に
 青年会議所運動は、40歳までと限られているからこそ尊い時間の中で、社会へ奉仕することを通して、個人としての修練を得ながら、真の友情をつくりあげ、自分を成長させるものであることを私たちは日々実感しております。そのような仲間の輪を広げることはまちを成長させることに繋がると確信しております。また、様々な自分とは違うものの見方、考え方を知ることによって自然に物事を複眼的に見る力を養うことができるのであり、新しい会員の拡大は私たち自身を成長させることにもつながるのであります。入会の動機は、人付き合いを増やしたい、仕事に役立てたい、社会のために何かしたい等様々と思われますが、そこから新入会員が自分なりの意義を見いだし、成長していける機会を提供することを、メンバーが自分自身の問題と捉えて取り組んでまいりましょう。
 私たちの活動の根幹をなすのはメンバー一人ひとりであり、共に行動する仲間を増やしていく事は必要不可欠であります。その意味において会員の拡大は最重要事項であるといっても過言ではないのではないでしょうか。明るい豊かな社会を目指す運動を推進するためには、共に歩む仲間の輪を広げることが欠かせないのであります。そのためには、私たち自身が活動・運動の意義を真剣に考え、このまちを担う同世代に伝えて心を動かすことが必要であり、これは私たちの目指すひとづくり運動そのものであります。

 ひとづくりから地域活性化の為に
 地域経済の活性化のためには、地域を支える人材を育成することが大切であります。特にこれからの社会を担う我々責任世代の力は、経済の活性化に欠くことのできない財産であると考えます。青少年に働く事の意義や楽しさ、地域の素晴らしさを伝え、経済に貢献する能力と気概を育て、この地域に定着した「人間力豊かな人材」になっていただくことが重要であります。現在、地域経済発展の為に日々尽力している若手経営者が、将来に明るい希望を感じ、更なる事業展開を考えられてこそ、地域経済の活性化にとって即効性のあるものと考えます。さらに、「日立」の魅力は、人であり、風土であり、環境でもあります。この魅力は、昨今生まれたものではなく、また一人の力によってもたらされたものでもない。長きに亘り地域全体が一体となって創造し守ってきたものであるはずです。
 このような経済状況下だからこそ、「地域の発展が個人の発展に繋がる」という価値観のもと、この地域の一人ひとりが「地域経済の活性化」について真剣に考え、地域全体(市民・企業・行政)で一丸となって取り組むことができれば、大きな相乗効果となり、地域に対する更なる愛情が育まれるのではないでしょうか。我々は、このまちの将来を真剣に考え続けるという使命感を持ち、責任ある行動をとることで育まれるであろう“誇り”を胸に活動してまいりましょう。

 まちづくりから地域活性化の為に
 地域を思う熱い気持ちが日立青年会議所を設立し、全国で340番目の青年会議所として認可されました。設立当初は、今とは比べものにならない程JC運動が困難だったと想像することは容易であります。我々の先輩方は、我がまちの将来を他人事ではなく、自分のことと真正面から受け止め、率先して行動を起こしました。その精神こそが今の日立青年会議所のルーツだと強く感じます。
 45年間という長い歴史の中で、先輩方は時代に即した価値ある運動を展開し続けて来られた事も事実であり、そして今、私たちも同じように我がまちの将来について真剣に考え、今の地域の問題と正面から向き合った活動を展開し、地域の未来が明るく照らされるよう力を尽くさなければなりません。我々は、常に「利他」の精神を持ってこのまちの為に奉仕をし続けて行かなくてはならないと深く心に刻み活動してまいりましょう。そうすることにより、最終的には我々メンバー一人ひとりの成長に必ず繋がると考えております。私たち市民一人ひとりが夢や希望を抱くことができる社会にするためには、自分自身が当事者であるという意識を持ち、身近な地域のあり方を主体的に描いていくことが使命であると捉え、活動してまいりましょう。

 終章(結び)
 JCには変わることの無い「奉仕」「修練」「友情」という三信条があります。この三信条は我々の活動を行う為の心の拠り所であると考えます。本年度、日立青年会議所は地域経済の活性化に寄与する活動を行うにあたり、三信条を胸に真摯な姿勢で臨むことにより将来の明るい豊かな「日立」に繋がると信じ活動していこう。
 誰もが不安を抱えている時代だからこそ青年会議所の真価が発揮できる絶好の機会である。困難な時代に生まれたことに感謝し、「すべて体験してやろう」という気持ちで我々を取り巻く環境に挑むことにより、自己の資質を高め、視野を広く持つ自立した個人になることを目指そう。
 明るく粘り強い心を備え、何時も探究心を忘れない青年経済人になることで、日立の為、ひいては茨城、日本、世界の明るい未来に繋がると信じて活動していこう。 我がまち「日立」のために地域へ貢献する気概を持って、青年会議所だからこそ出来る運動を展開し、我々の手で我がまちの未来を創造していこう。
 苦楽を共にし、成し遂げることの出来た結果に対し参画した全員で喜びを分かち合えた上で、初めて成熟する本物の友情を育もう。
 そして、多くの市民へ我々の事業の意義や運動展開を発信しJC運動の素晴らしさを伝え、私たちメンバー全員が「誇り高きJAYCEE」を目指し共に活動してまいりましょう。