2026年度 理事長所信
【はじめに】
私が入会したばかりの頃、ある先輩から言われた言葉があります。
「何ができるか」ではなく「何をすべきか」を考えなさい。
この言葉は、私が青年会議所の会員として活動する上での原点であり、今も胸の奥に強く残っています。自らの使命を問い続け、行動をもってその答えを示す。その姿勢が、私たち青年会議所の精神の根幹であると感じています。
青年会議所は、社会の課題に対して「誰かがやってくれる」のを待つのではなく、「自分たちが立ちあがる」という強い覚悟を持った青年の集まりです。自分の行動に責任を持ち、その行動によって信頼を築き、信頼し合う仲間とともに明るい豊かな社会を創る、これこそが私たちの運動の本質ではないでしょうか。
きっと、私たちがすべきことには多くの困難が立ちはだかるでしょう。自分にはできないと思うこともあるでしょう。でも、一人では難しいことも、仲間とともに進むことで必ず道は拓けます。志ある者同士が手を取り合い、互いの違いを尊重しながら歩んでいく。「何ができるか」ではなく「何をすべきか」、その問いに、共に向き合い、共に進んでまいりましょう。
【個人の成長は組織の発展】
メンバーにとっての青年会議所の価値は、「経験と成長の場」にあります。私たちには年齢や社会的な肩書きに捉われず、誰もが挑戦できる環境に身を置き、自らの可能性を広げることができる機会があります。日常生活や普段の仕事では経験することのできない役割や責任・葛藤に直面し、自分の限界を知り、それでもなお正面から向き合い乗り越えようとする姿勢。その先にこそ、真の成長があると私は思います。「挑戦するから成長する」「成長するから信頼される」この好循環を、私たちはもっと自覚的に育てていく必要があります。
また、青年会議所で得られる学びは、一過性の経験ではなく、人生において持続的な価値を持つものです。思考力、対話力、構想力、実行力、すべては挑戦と失敗を通してでしか身につかないものです。自らの行動が自らを成長させ、そして、個人の成長はやがて組織全体の発展へとつながっていきます。一人ひとりの視座が高まることで、事業の質も、組織の発信力も、より強く豊かになっていきます。組織とは「人の集合体」であり、人が成長することでしか、持続的な発展は成しえません。私たちは、共に成長し合う仲間です。自らのため、仲間のため、そして地域のために、互いを磨き合い、成長し、共に日立青年会議所をより良い組織へと発展させてまいりましょう。
【まちづくりと人づくり】
青年会議所が担うまちづくりとは、単なる建設的な行為や制度設計ではなく、人と人との間に信頼を育み、地域に生きる一人ひとりの意識を高めていくことでもあります。目まぐるしく変化し、不確実性が増す現代において、今ある課題だけに向き合うのではなく、これから先の未来を見据え、先駆けて動く視点が求められています。
まちは、そこに暮らす人びとの思いや行動によって育っていきます。そして人づくりは、まちづくりと深く結びついており、分けて考えることはできません。私たちの事業に関わった人びとが、気づき、考え、動くことができる場を生み出すことで、誰かの行動が、次の誰かの背中を押し、やがて大きなうねりとなって地域を動かす力となっていく。その可能性を信じ、私たちが事業を通して蒔く小さな種に誇りを持って運動をしていかなければなりません。
未来を担う世代に、希望と可能性をつなぐまちを残していくために、まちづくりと人づくりという二つの視点を重ね合わせながら、事業を展開してまいりましょう。
【地域との連携】
地域には、行政や教育機関、各団体など、様々な立場でまちづくりに取り組む存在があり、それぞれが目指す先や役割は違っていても、地域をより良くしたいという想いには、共通するものがあります。青年会議所もその一員として、同じ地域を見つめ、自らの理念と行動を持って、地域との信頼関係を築いていく必要があります。
時代の変化に伴い、連携のかたちはより柔軟で多様なものとなっています。異なる立場や価値観が交差するからこそ見えてくる課題と可能性があり、それらに向き合う中で、青年会議所の視点や行動が新たな意味を持つ場面も少なくありません。
また近年、地域との関わりを求めて新たに日立青年会議所に関心を寄せてくれる人びととの接点も、少しずつ広がりを見せています。そうした新しい関わりが、私たちの事業に思いがけない気づきや視点をもたらしてくれることもあります。地域との連携が、世代や立場を越えて価値を育てる場となっていく。その可能性を信じて、より良い関係を築いてまいります。
私たちは、青年会議所としての使命と誇りを胸に、地域に根差しながら、対話と共創を重ね、これからのまちづくりに貢献してまいりましょう。
【会員拡大について】
青年会議所の運動は、共に歩む仲間がいてこそ、その力を最大限に発揮することができます。そして、私たちが掲げる理想をより大きな形で実現するためには、多様な価値観を持つ新たな仲間を迎え入れ、組織としての広がりと深まりを追求していくことが不可欠です。そのために私たちは、自らの姿勢や事業を通して青年会議所の魅力を伝え、共感を生む存在でなければなりません。
また、会員一人ひとりの背景や経験は、組織に新たな視点や可能性をもたらしてくれます。多様性を受け入れ、互いに学び合いながら高め合う文化を醸成していくことで、私たちの組織はさらに強く、柔軟に成長していくはずです。
青年会議所での経験や成長、仲間との絆は、個人の人生においてもかけがえのない財産となります。だからこそ私たちは、自らの活動を通じてその意義を体現し、共に歩む仲間を増やしていく責任があります。
会員拡大は、単なる目標ではなく、地域の可能性を広げる運動そのものです。誰かの挑戦を後押しし、誰かの人生を変えるきっかけとなるその第一歩を、私たち自身の手で生み出してまいりましょう。
【創立60周年を迎えて】
本年度、日立青年会議所は創立60周年という節目を迎えます。この60年の歩みは、時代とともに変化する社会課題に果敢に挑み、常に「明るい豊かな社会の実現」を目指して進み続けた、先輩諸兄姉の情熱と行動の歴史です。
私たちはこの歴史とともに受け継がれてきた伝統を継承し、これまで日立青年会議所に関わってくださったすべての方々に対して敬意を表し、この先の未来へと向かって歩み続けなければなりません。60周年という節目は、過去の功績を讃えるだけでなく、未来へ向けたビジョンを示す機会でもあります。
伝統の継承とビジョンの提唱、この両輪を力強く回すことで、地域と市民の皆さまからのより大きな信頼と期待に応えられるよう、そして、日立青年会議所のさらなる発展を目指し活動してまいりましょう。
【おわりに】
青年会議所が目指す「明るい豊かな社会の実現」は、単なる理想ではなく、私たち一人ひとりの姿勢と行動によって築かれていく現実です。その歩みの中で、私たちに常に求められるのが、「品格ある青年」としての在り方です。
品格とは、外見や表面上の美しさだけではなく、自らを律し、他者と真摯に向き合い、社会に誠実であろうとする姿勢も兼ね備えている状態です。そのような行動の積み重ねが、信頼を育み、言葉に重みを与え、周囲に良い影響をもたらしていくと私は信じています。
私たちがこれからの時代に向き合っていくためには、正解のない問いに対しても、自らの意志で判断し、責任ある行動を起こす力が不可欠です。
60周年という節目を迎えた今、私たちはこれまでの歩みに敬意を払いながら、これからの社会を担う存在として、次の一歩を力強く踏み出していかなければなりません。




