日立青年会議所

Break through

2025年度 理事長所信

【はじめに】

 『大きくなればなるほど小さくなるものってなーんだ?』
 これはあるSNSでたまたま見つけたなぞなぞです。答えはなんだと思いますか。洋服だそうです。身体的な成長で身体が大きくなり相対的に洋服が小さくなる、とのことです。

 私はこのなぞなぞを見てぱっと思いついた答えは“夢”です。人は生まれ乳児、幼児、小児、少年、青年、壮年と育っていきます。成長するにつれ、現実と向き合う機会が増え、夢を見ることを忘れている人は多いのではないか。そう思いこの答えを思いつきました。私はあまり夢を持ってこれまで生きてきたわけではありません。
 しかし現在、私が所属しているこの青年会議所という組織には夢があります。理念として掲げている「明るい豊かな社会の実現」です。夢と理念は細かく言えば違うものかも知れませんが、私は今この夢に向かっています。一個人ではどうにもならないような壮大さがありますが、全国で700を超える青年会議所が、同じ夢を持ち日々運動を続けております。青年会議所で過ごしていくうちに、いつしかこの明るい社会の実現が私の夢にもなっていることに気付きました。青年会議所の掲げる理念を達成したいという想いと、私個人の家族や会社の拠点となる地域が、より良い環境になることを願う気持ちから来ています。この想いは私が特別に感じてるものではないと思います。青年会議所に拘らず全ての人が想っているのではないでしょうか。そのたくさんの人の想いを実現するために、仕事をしながら限りある時間を費やしていく。それが我々青年会議所の役目であります。

 

 

【人財育成による持続可能な組織】

 青年会議所は1年を任期とする単年度制を採用しており、トップである理事長を含めた人事体制が毎年変わります。一般的な企業で見れば単年で社長やその他の役職が一斉に変わることは、最善の方法ではないかも知れません。しかし、青年会議所は人を育てることを重要にしている組織です。単年度制だからこそさまざまな役職を経験することができ、成長の機会を与えられます。
 私が青年会議所に入って思ったことがあります。どうして仕事でもないのにこんなに真剣に活動していけるのだろうか。どうしてこんなに本気になれるのだろうかと。その原動力はなんだろうか。その答えのひとつは私がさまざまな役職に就くことで見つけることが出来ました。それは“責任感”です。引き受けた役職を全うする上での責任感により、真剣さや熱量といったものを生み出し、そこから自ら進んで行動へと移せるようになっていくのです。さらにそういった行動力から起こる成功体験や良質な失敗が起爆剤となり、自分を変えるきっかけになります。
 チームスポーツでこういった言葉があります。「今いる選手の成長こそ一番の補強」これは青年会議所にも当てはまります。さまざまな経験をすることで人が育ち、より強固な組織となっていくのです。青年会議所の運動をしていると、その場その場で役割を与えられることが多々あります。是非、勇気を出して引き受けてみてください。新たな自分を発見できるきっかけになるかも知れません。
 また、日立青年会議所では入会間もない会員が全体の半数を占めており、新たな運動の主軸となる会員の成長が期待され、現体制では早い段階で中心的な役割を担うことも増えていくことが予想されます。青年会議所では多くのルールやしきたりがあり、その中で会議を重ねひとつの事業を構築していきます。ルールとは決してただの足枷として存在しているのではなく、なんらかの意味があって存在しています。まずは知る機会を創出することにより、一人ひとりが青年会議所について正しく学び、理解し、JAYCEEとして自覚と品格のある行動が出来るようサポートしてまいります。

 

 

【会員拡大】

 みなさんは、青年会議所を知ったきっかけはなんでしょうか。青年会議所が主催する事業に参加した、たまたまポスターやチラシを見た、知人や誰かの紹介によって青年会議所のことを知ったなどさまざまあると思います。
 では、何故青年会議所に入会したのでしょうか。青年会議所の存在を知ってそのまま入会を希望した。という人はごくわずかでしょう。誘われたから仕方なく入ったという方の方が多いかも知れません。
 しかし、入会を決めたその瞬間、そこには何かしらの想いがあったのではないでしょうか。地域に貢献してみたい、仕事以外の組織に所属してみたい、人脈を広げたい、会社の収益を上げたいなど青年会議所という組織への期待や夢、少なくともやってみようという挑戦があったと思います。きっかけは違えどその一歩を踏み出し、組織の中で運動を展開していくことで、同志として互いの成長を願う友情が芽生えます。会員が多いことで「お互いを高め合う精神」がより一層醸成されます。
 青年会議所のブランド力を高めていく上で重要なことは広報であります。情報発信方法の多様化により、ホームページやSNSで運動や事業の成果を発信することができるようになりました。しかし現代では情報過多とも言われ、情報の受け手が価値あるものかを見極め、選択をする時代となってきました。ただ事業の報告を発信するだけでは選ばれない時代になってきたとも言えます。発信の頻度や情報の価値を高めていき、青年会議所のことをさらに知ってもらうことで“やってみたい”と思えるような団体を目指してまいりましょう。
 何のために会員拡大をするのか。どうすれば会員を増やせるのか。今一度考え、多くの人を巻き込み、自分や仲間の成長のためにも会員拡大を行い続けてまいりましょう。

 

 

【地域に根差す次世代の育成】

 子どもたちは、さまざまな体験を通じて、自らの強みや個性を発見し、意欲や自信、学ぶ力を育んだり、多様な人とつながる機会を得ます。これらは子どもたちが豊かな生活を送るうえで、必要不可欠な機会であると考えます。
 物心ついた頃からインターネットをはじめとするICTツールに囲まれ手軽に情報を得られる便利な時代になりましたが、それと引き替えに、見る・触れる・体感する機会が減少しているそうです。
 いつの時代も無限の可能性を秘めている子どもたちは、次世代を担う地域の宝であり希望です。私たち青年会議所は、学校でもなく、家庭でもなく、公的な機関というわけでもありませんが、地域に根付いた青年団体という第三者的な立場から、地域の子どもたちの成長や学びに深く関わっていくことが出来る団体です。子どもたちの現在に寄り添い、このまちで過ごした子どもたちが、このまちで未来を描いていくことの出来る地域社会を目指してまいりましょう。

 

 

【日立青年会議所60周年に向けて】

 日立青年会議所は2026年に創立から60年の節目を迎えます。
 1967年の創立以来、志高き先輩諸兄姉がさまざまな挑戦や運動を積み重ね歴史を紡ぎ、日立市の発展へと寄与されました。奉仕・修練・友情の三信条のもと、明るい豊かな社会の実現という普遍の理念を掲げ、これまで日立青年会議所の灯を絶やすことなく運動を続けられてきた先輩諸兄姉に対し、感謝と敬意を表さなければいけません。
 時代は変われど熱いJAYCEEの精神は不変です。この歴史と伝統を次の世代へつないでいくことが私たち現役世代の使命でもあります。その為には今まで紡いできた日立青年会議所の歴史を知るとともに、私たちの一番の理解者でもある先輩諸兄姉との交流を図り、関係諸団体とのつながりを再認識し、素晴らしい60周年を迎えられるよう準備してまいりましょう。

 

 

【おわりに】

 青年会議所という団体は20歳から40歳までの人財で構成されています。しかし一般的にはその年齢は青年というよりは壮年と呼ばれる年齢となっています。では何故青年会議所なのでしょうか。それはその壮年の私たちが青年を名乗っているからこそより青年らしく、無謀とも思われることにも失敗を恐れず挑戦していける組織ということなのです。このことを胸に刻み、この青年会議所を通じてたくさんの挑戦や運動を経験してください。そして成長していく過程で新たな夢を発見しさらに挑戦していきましょう。
 青年会議所という組織の夢、会員が持つ夢、まちや人々の夢。たくさんの夢は待っていても来てはくれず叶えることは出来ません。

 “CHASE YOUR DREAMS

 私たち自ら行動して夢を叶えていきましょう。未来とは決まったものではありません。現在を変えることで、どのようにも未来を変えることが出来ます。私たちに可能性はいくらでもあります。自分自身の行動に自信を持ち恐れることなく、真っすぐ進んでまいりましょう。