2024年度 理事長所信
【はじめに】
きっかけは思いもよらない瞬間に訪れます。
そしてそれが、後に人生を変えるような大きなものへと繋がるかもしれません。あの時の気持ちを思い出してください。
【入会のきっかけ】
青年会議所という存在を初めて知ったのは小学生の頃でした。当時父がまだ現役メンバーだったので、サッカーの練習やクリスマス会、地引網や人文字コンテストなど、あまり覚えていないのもありますが、沢山連れて行ってくれた事だけは覚えています。夜家に居る事は滅多にない。帰ってくるのは皆が寝てから。朝しか会えない。
でも、休みの日は思いっきり遊んでくれる。それが世の中の当たり前だと思っていたので、青年会議所に対してあまり悪いイメージはありませんでした。
2014年、父から言われました。
「JC入るか?」
「入らない」
2017年、父から言われました。
「話だけでも聞いてやってくれないか?入るか入らないかはお前に任せるから。俺の顔を立ててくれ」
「どうだった?」
「JC入るわ」
「え?なんで?」
「なんかムカついたから」
「よく分からないけど、頑張れよ」
そうして、2017年度に入会させていただきました。
あの時ムカつかなければ入会していなかったかもしれません。
新入会員の挨拶で私はこう言いました。
「友達を作りに来たわけじゃない。口先だけでなく、この地域を活性化するために入会しました」
【青年会議所とは】
最初に芽生えるものは友情で、友情が芽生えれば信頼が生まれる。入会して最初に得られるものは、出会いです。元々何かの関係で知ってたという人も居ると思いますが、大抵は初めましてでしょう。年齢も業種も異なる人たちとの出会いは、人生において刺激的なきっかけとなります。この刺激的な出会いから学び得た信頼関係によりやがて仲間となり、新しい世界を知ります。
勿論、参加していないと得ることはできません。そこに気付けたのは、信頼できる仲間ができたからです。
青年会議所には必ず、機会というものが与えられます。発展の機会、成長の機会、いくつもの機会が与えられます。この機会に触れ合い、目で見て肌で感じることにより、また学ぶのです。与えられた機会にどう向き合うかが自身の成長へと繋がります。
そうした個人の成長の最後に来るのが、他者への奉仕です。
【使命と責任】
JCIミッションに「青年会議所は、青年が社会により良い変化をもたらすために、リーダーシップの開発と成長の機会を提供する」とあります。これは、青年会議所としての使命です。
使命とは、自分でつくるものです。
責任とは、与えられるものです。
どちらも大事ですが、会員としての使命を遂行する責任と、己の使命感のもと運動に邁進するものだと思います。己の成長のために与えられる機会に対し、向き合う事が責任です。
使命感と責任感の両方を抱き、何事にも臆することなく挑戦し続けて参ります。
【組織の強化として】
まずは、組織の強化に向けて、ビジョンと方向性を明確にして共有することが必要です。これは、青年会議所が目指すものや、社会に貢献する方法、そして、会員一人ひとりが成長するために必要な方針を定めることを意味します。
良い仕事は、良い人間関係がなくては出来ません。明るい豊かな社会の実現に向け、会員一人ひとりの力を最大限に発揮させるための環境を整える必要があります。会員一人ひとりの志は同じであっても、価値観は違います。相手を承認し、互いに切磋琢磨できる場を提供します。そして、委員会の機能性を高めるために、委員会の運営面を積極的にサポートし、一人ひとりのモチベーションを上げることで、自信を持って取り組めるようにします。さらに、新入会員の育成は組織全体で行います。既存の会員がしっかりとフォローできる体制を取ることで、全員がアクティブメンバーとなり、組織の強化へ繋がります。
たとえ単純な動機だったとしても、目的が正しく、より良い方法であるなら通用します。他者のために行動を起こすとき、共感を得ながら仲間が集まり、大きな力へと成長するでしょう。その可能性を、我々は持ち続けなければなりません。
【第53回茨城ブロック大会の主管】
我々日立青年会議所は、22年ぶりに茨城ブロック大会を主管します。
日立市はかつて、日立製作所を中心とした関連企業とともに発展を続ける企業城下町として活気のあるまちでした。しかし、人口減少や少子高齢化により、時代の変化とともに街は大きな転換期を迎えています。だからこそ、我々が先頭に立ちブロック大会を主管することで、新たな日立の可能性を創造します。さらに、大きな目標を達成することで組織力が高まり、新たな目標や挑戦に取り組む機会が生まれます。地域とともに生まれ変わった日立青年会議所は、社会にポジティブな変化を巻き起こし、我々が日立だけでなく茨城全体を盛り上げます。
【会員拡大について】
日立青年会議所の会員数は1993年の128名をピークに年々減少傾向にあり、30年経った今、34名となりました。少子高齢化、人口減少が理由に挙げられますが、それだけではありません。青年会議所しかない時代から、青年会議所もある時代へ、更には新しく創る時代へ変化しています。我々が運動を続けていくためには、何よりも仲間が必要です。仲間が増えれば組織は拡大し、運動の幅も広がります。さすれば、より多くの市民へ伝える事ができ、地域社会で共感の連鎖が生まれ、我々の運動に参画したいと思う人は必ず増えます。会員拡大は、「誰かがやる」ではなく「全員でやる」でなければ出来ません。全員が青年会議所の魅力を語り、一人でも多くの仲間を増やし会員数50名を目指します。
【まちづくり】
議論ばかり重ねても、まちは良くなりません。
我々の住み暮らす日立市は、自然災害が少なく、豊かな自然や歴史、文化など様々な資源や魅力があります。しかし、それらは市民にとってどういう存在なのでしょうか。魅力だと感じているのでしょうか。市民の声を聞き、地域の現状や問題点を把握し、改善すべき課題を明確にすることでより良いまちづくりが実現されます。行政や他団体とよく連携し、課題の解決に努めましょう。正解なんてありません。様々な視点から、我々にしかできない、我々らしいまちづくりに挑戦していきます。
【子ども達へ出来る事】
我々の子供の頃と比べ、人と交流せずとも効率的に多くの情報が手に入る現代の環境は、知識としての学びには大きく役立ちます。しかし、体験から学ぶことについては少なくなっていると感じます。どんな時代であっても、人と人との繋がりなくして社会は形成されません。また、ワクワクと感動を実際に体験することにより、想像力・感性・心をより豊かにします。人とのふれあいと記憶に残る経験が、やがて、このまちを守りたい、未来へ残していきたいという気持ちを育むのです。
【おわりに】
困難に直面した時、相談できる相手、話せる相手はいますか?分からない時に聞ける人は周りにいますか?
誰かに必要とされる、頼られる存在になりたいと思いませんか?いや、思ってほしい。失敗せずに成功したいですよね?いや、なんなら失敗を経験してほしい。
それが叶うのが我々のいるこの青年会議所です。