日立青年会議所

Break through

2023年度 理事長所信

【はじめに】

我々は帰属意識を高く持ち、JAYCEEとしての誇りを胸に、いかなる場合でも止まることなく青年会議所運動を突き進めていく必要があります。帰属意識を高め目標を共有することで、一体感を感じるようになり、組織に対する愛着や興味が生まれ、結果的に組織力の強化につながります。そして、誇りを持つことで責任感が生まれ、他の誰かに任せるのではなく、自ら進んで動くことができます。さらに、同じ志を持つ仲間を増やしていきたいと自然に考えられるようになるのです。

 

「飲み会ばかりしてるんでしょ?」

「お金を貰ってやってるんじゃないの?」

 

青年会議所に対して批判や誤解した言葉を聞いて私は必死に反論したことを今でもはっきりと覚えています。入会して数年、それほどのめり込んでいなかった私でさえ、所属している団体を批判されることや馬鹿にされることが、どうしても納得できませんでした。愛着があるからこそ平気でいられるはずがない。大抵のメンバーは私と同じ気持ちになるのではないでしょうか。

 

「このままではいけない、どうにかして変えていきたい。」

 

改めて青年会議所に対する想いに気付いた私は積極的に運動に参加するようになりました。そして、真剣に向き合うことで日立のまちに愛着を持ち、気付けば今こうして所信を書いている自分につながっていきました。青年会議所は会議所と言う名の通り会議が非常に多いですが、日立の未来が明るく豊かな社会になれるよう、我々は自分の意志で時間やお金を惜しみなく運動に使います。しかし、本来の姿が伝わっていないのは大変悔しく思います。まずは、一人ひとりが行動に責任を持ち、見られていることを自覚しなければなりません。そして、格好悪い部分は見せず、格好良い存在でいられるよう日々努力していきましょう。日立青年会議所は数多くの先輩諸兄姉が築き上げてきた56年の歴史があります。青年会議所は世界で最も大きな青年の団体であり、社会貢献を目的に組織された青年の為の団体です。

 

私たちは格好良いことをしています。誇りを持って運動をしましょう。

 

【拡大活動と人財育成】

社会的課題を解決し、数多くの市民に影響を与える為には、数多くの人財が必要です。我々が拡大活動をすることは必要不可欠であり、会員を増やさなければ衰退していくだけです。拡大活動は最重要ミッションとして一人ひとりが意識を高く持ち、行動しなくてはなりません。熱意を持って全力で運動し発信することで、興味を持ってくれる仲間に必ず出会えるはずです。そして、最も大切なことは、入会したメンバーに対し愛情を持ってしっかりとフォローすることです。また、日立青年会議所の発展の為には、アカデミーメンバーを中心とした経験の浅いメンバーの育成に力を入れていく必要があります。入会の浅いうちから会員拡大について考え、会員としての誇りと責任を感じてもらい拡大意識を高めていきましょう。時代に合った方法で戦略的な広報活動を行い、拡大に直結する事業構築に挑戦し、トライアンドエラーでたくさん失敗をして、たくさん学びましょう。

 近年、会員数は全国的に見ても減少傾向にありますが、人口に対して考えると2010年代と変わらず維持できています。さらに、女性の会員数は年々増え続けています。世界の青年会議所の男女割合は1対1であることを知っていますか?日本がどれだけ遅れているのか、今後も女性会員の拡大に注力し、ジェンダー平等の実現が日立青年会議所の発展に大きく関わっていくと確信しています。メンバー一人ひとりが出会う仲間に自然と拡大活動ができていることを目指し、我々に興味を持ってくれる新たなメンバーをいつでも迎えられるように準備をしておきましょう。

 

【組織の中で得られる発展と成長】

青年会議所の会員であれば、必ず発展と成長の機会が与えられます。機会を逃すことなく、どのような立場に置かれても少し無理をして行動することが大切です。

恥ずかしながら、私は入会するまで自分のことや家族のことだけを考えて生活していました。独立して始めた仕事は、毎晩夜中まで続きました。さらに、双子の子どもが生まれたばかりで時間や気持ちに余裕が持てませんでした。しかし、会えば挨拶代わりに勧誘してきた先輩の影響で入会してみると、普段の生活では出会うことのない地域を想うたくさんの仲間と出会うことができ、共に運動を進めてきました。無理をすることもあり、家族に対して少し寂しい思いをさせる場面もありましたが、仕事も家庭も順調に進み、青年会議所運動ができる「時間」の作り方を覚えることができました。私のモットーは、「とにかくやってみる」「限界までやってみる」です。与えられた役目を最後までやりきれるかどうかで成長が変わると思います。入会を決意した時の気持ちを忘れず、役を与えられたのならば、是非、格好付けて務め上げてください。私も挑戦します。理事長を終える一年後には大きな成長を遂げているのではないかと確信しています。共に成長し、日立青年会議所の更なる発展に貢献していきましょう。

 

【目指す組織と運動】

 

「委員長をやってみたい」 「理事長をやってみたい」 「出向をして学びたい」

 

私の目指す組織は、自分が変えていきたいと熱意を持ったメンバーが増えていく組織です。今の私たちに輝きはどれだけあるのでしょうか。入会候補者や仮入会者からどのように見えているのでしょうか。憧れられる格好良い姿を見せなくてはなりません。中途半端より全力で運動をすることが、格好良い姿なのではないでしょうか。そして、必ずその努力を見ている人がいます。青年会議所に入会すると一生の仲間ができると聞きますが、それはこの熱意に関係してくることだと思います。これからでも間に合います、一生の仲間を作っていきましょう。

 青年会議所の運動はメンバーから集める会費によって事業を構築する為、会員数に応じた限られた予算の中で運営をしていかなくてはなりません。その為、会員が減少すれば事業の大きさに影響を及ぼします。メンバーの想いがこもった大切な会費をできる限り事業費に使えるよう、管理費は1円でも多く無駄を省き、メンバー全員が納得できる透明性のある健全な財政運営を目指す必要があります。そして、信頼される団体であり続ける為には、コンプライアンスに基づいた厳格な審査をし、より強固な組織の基盤を作っていきます。

地域に向けた事業を開催すると、参加者から「良い事業でした」「またやって欲しい」と言われることが多々あります。大変喜ばしい言葉ではありますが、決して自己満足で終わってはいけません。共に運動をしていきたいと思われる事業を構築することが、青年会議所が目指す「より良い社会づくり」につながっていくのではないでしょうか。背景や目的をしっかりと定め、どのように変えていきたいのか具体的に詰めていき、できる限り大勢の人を巻き込んだ事業を構築していくことが大切です。我々は単年度制というルールの基で運動していますが、単発の事業で終わることなく、一貫した年間計画を立て、多くの市民に共感されるような事業を構築していきましょう。

 

 【地域の発展と未来に生きる子どもたち】

青年会議所の役目は、世界の潮流を読み解き、時代の先を見据え、リーダーとして地域を引っ張っていくことです。加速化するデジタル社会により、私たちの想像を超えた世界が日々生まれ変わります。時代の変化に柔軟に対応していくことが、持続可能な社会へとつながり、明るい未来を創ることができます。そして、子どもたちには、状況の変化に対応する為に「自分らしさ」を大切にし、夢や希望を持って自ら未来を切り拓ける力が必要です。その為に私たちは、見て聞いて触って考えて行動する、様々な体験を通して気付きと学びを経験させ、原体験として生きる力を育てていきます。さらに、経験させることで様々な日立の魅力に気付き、日立を愛することができます。また、便利で物が溢れる時代だからこそ感謝の気持ちを忘れない為に、当たり前のことが実は幸せであると気付かせることが大切です。社会の課題を解決していく上で様々な問題に直面しますが、小さな課題でも大きくなる前に摘んでいきましょう。

日立には似た目的を持つ団体がいくつかある為、青年会議所だからできることに拘り運動する必要があります。また、課題解決につながるのであれば積極的に他団体と連携を図り、新しい刺激と手法を学ぶ機会を作りましょう。

 

【おわりに】

希望に満ち溢れた子どもたちの笑顔は事業構築の最大のご褒美です。1人でも多くの子どもたちが日立を愛し、日立の為に何かしたいなと考えられるようになれたなら、私たちの存在意義が高まり、また新たに運動を突き進めることができます。

40歳までしかできないというルールの中で、自分のギアがどこにあるのか再確認してください。最初から無理をし過ぎれば、失速していくかもしれません。無理なく活躍することが長く続けていける秘訣ですが、近年は入会歴が浅いメンバーが多く、即戦力が求められています。まずは、自分が必要とされていることが、どれだけ自分にとって大切なことなのかを認識し、少しだけ無理して頑張ってみましょう。そして、自分の限界が見え、それを超えることができれば成長が待っています。私たちは個人ではなく団体です。共に悩み、共に苦しみ、最後は泣いて笑えるよう共に青年会議所運動に邁進していきましょう。

 

1年間、どうぞ宜しくお願い致します。