2018年度 理事長所信

 

第52代理事長 宮本 昌樹


「地域の未来は、そこにいる人によって創られる」

この地域に住み暮らし、働く私たちだからこそ、明るい豊かな日立の未来図を描き常に行動しなければならない。誰かが問題を解決してくれるだろうと、待っているだけでは何も変わらないであろう。重要なのは一人ひとりが、このまちに魅力を感じ愛着心を持つこと、そして当事者として地域の未来を真剣に考え行動することである。

「成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと」「失敗は成功のもと」と言われるよう、必死に物事に取り組めば成功は自信となり、失敗しても経験として残ります。行動することは必ず自己成長に繋がるのです。自身の考えや行動が人に影響を与えることもあり、また逆に他者から影響を与えられることもある。青年会議所には互いに自らを高められる仲間がいる。自己成長のため、地域発展のためにも失敗を恐れず、仲間と共に果敢に挑戦していきましょう。

 

【会員拡大について】

新たな人材発掘は、私たちの使命であり、命題でもあります。私たちはこれからも、新しいメンバーをたくさん迎え入れ、勇気ある一歩を踏み出す同志と共に、JC活動をとおして、地域発展のための運動を展開してまいります。

新しい仲間を誘うためには、JCの魅力とは何かを伝えなければなりません。会員拡大運動は、現役メンバーにとっては自己のJC活動を振り返り、そこで得たたくさんのことを再び見つめなおす機会にもなります。また、多種多様なひとが集まってこそ、さまざまな意見や考え方が混ざり合い、新しいJCが作られていくのだと思います。仲間を増やし、事業を行う中で、たまたまそこにいたメンバーが、一生涯の友となることがあるのです。

個においても組織においても有益な会員拡大について、一人ひとりが真剣に考え、皆で推し進めてまいりましょう。

 

【伝承、そして未来へ】

私は、2007年にこの日立青年会議所に入会し10年間JC生活を歩んできました。十年一昔と言いますが、10年前に比べ世の中は激しく移り変わり、この日立青年会議所も同様に移り変わっていると肌で感じています。共に活動をしてきた経験豊富なメンバーは卒業をし、気がつくと私が最年長となり、若いメンバーが半数を超えるという現状であります。私は、現在の日立青年会議所には確実に新しい風が吹きはじめており、この新しい風をこの1年で大きな力に変えなくてはならないと感じています。そのためには、青年会議所としての規律をしっかりと学び、まがりなりにもこの10年間私のJC生活の中で学んだ日立青年会議所の歴史と伝統はしっかりとメンバーに伝承し、互いに切磋琢磨しな

がら、真剣に議論する中で共に新たな日立青年会議所の歴史を築いてまいりましょう。

 

【魅力溢れるまちづくり】

この日立市には、緑豊かな山々と青く澄みわたる海に囲まれた自然環境、世界レベルの産業と技術、そして誰もが誇れる歴史と文化など、多くの魅力があります。地域分権が進展する中、今まで以上に魅力溢れるまちを築いていくためには、この地域の個性を活かしたまちづくりや、地域に愛着をもつ市民によるまちづくりが必要だと考えます。そのためにも、まずはメンバーが地域としっかりと向き合い、当事者意識を持って行動していかなければなりません。我々は、未来を切り拓く先駆者として、行政、各種団体、住民の方々と連携しながら郷土愛を醸成し、希望溢れる日立の未来を創るべく運動を展開してまいります。

 

【子供たちの心を育む】

子供たちは、私たちが創り上げた世界の先に生きていきます。未来の日立市が明るい社会であるためには、今の私たちの努力と、健全な今の子供たちの育成なくして成り立ちません。現在の社会の延長線上にある、競争にさらされた資本経済社会の行きつく先は、格差増大社会であり、古来日本の協調型社会形成を崩壊させた個人主義主観の行きつく先は希薄な人間関係による利己追求型社会であろうと思います。

私たちが目指す豊かな社会とは、果たしてそのようなものなのでしょうか。日々進化する先進技術による利便性をありがたく享受しながらも、人との係わりを忘れない心の教育を私たち親の世代がしっかりと行い、広い心を育み、助け合いの精神のある次世代を育成してまいります。

 

【事業について】

青年会議所運動を発信する大きな手段のひとつとして、私たちの行う「事業」があります。私たちの運動は自発的な意志により加入したメンバーの起こす運動であり、自由であり、能動的です。ゆえに、各事業主管委員会には、事業にひとつ新たな試みを盛り込んでいただき、チャレンジする土壌を作っていきたいと考えております。私たちの運動は決して完成されたものではなく、社会の進歩とともに、さらに発展していくものです。

トライアルな風土の中で、しっかりと検証を行う学びの多い事業を作り上げ、メンバーの成長に寄与してまいります。

 

【おわりに】

私は、10年前にこの日立青年会議所へ入会し、「明るい豊かな社会の実現」を目指す運動の中から実に多くの経験と学びを得ることができ、また多くの仲間を得ることもできました。そして、自分でも驚くほどに価値観の変化が現れ、経営者としても、ひとりの人間

としても成長をさせていただきました。現在の私自身を形作る非常に大きな要素として日立青年会議所の存在が位置付けられていると感じています。私を変えてくれたこの日立青年会議所のために、全身全霊で職務を全うします。未知の世界に足を踏み入れることには、大きな不安を伴いますが、何もしなければ何も変わりません。すなわち、自分が成長するためには、変わることを決意し行動に移す必要があります。そして、一人では成し得ることができないことでも、日立青年会議所メンバーの英知と勇気と情熱を結集すれば可能性は無限に広がります。どんなに厳しく困難な状況でも、後から振り返ると良い経験で、仲間と共に何かに打ち込めるかけがえのない時間だったと必ず思えます。だからこそ、40歳までの限られた時間を共に前向きに楽しみましょう。